2015年9月25日金曜日

”2233” ニーニーサンサン ~soon after the gen hoshino's live was done~



高速運転表示 光る 文字に
食らいついたって 待って
足並み揃え
同じ方 顔を向け 流れてく直線を
速度を殺して 眺めている ぼくは


同じ速度で 同じ方向へ
ライン引かれてるところに
コースアウト


誰が言ったんだ 一旦考え
考えてみて(みたけど)
 やっぱコースアウト
爽やかさ装う バスクシャツを横目に


九段下 エスカレーターのスロープ化
上がって平坦 速度は落ちるさ


賭けるか共に心中してくれるか 
どちらか選べよ
好き勝手言って 気にしない素振りか
いっそのこと舞い上がれ 
舞い上がってしまえ 
真紅フレアスカート


相反する個体に 付きまとう煩悩
君も僕も同じか それ 本当なの?


横たわる体に もたれ傾げる首
預けた気持ちは ねぇ 煩悩なの?


足並み揃えて 迎えいれる景色
僕と君のそれは  同じなの?


同じか


同じか



同じ色なの?



ねぇ


2015年9月16日水曜日

”0609” ぜロロクゼロキュー


”0609” ぜロロクゼロキュー



紅く染まる空に 昨夜の衝動を思い出す

今僕等が手にしているものが

どれ程贅沢なものなのか





海沿いの砂利道に

引き出しから舞って出た

26の自分に宛てた 16の自分からの手紙を思い出す

”汚れきった世界を愛する覚悟は出来ているか” と問いただされたが

十年前の我が身に忠告したい






君が両手一杯に広げたような世界はそれでも未だ狭く

ここに在るのは君が息をしようと止めていようと時間を刻んでいることしか知らない世界だ




過度な期待は禁物だが

君が思う以上に 情に彩られた

世界があることを知っていれば

多少はこの世を愛せるかもしれない




少なくとも僕は

愛してるというかわりに

おやすみという他ないんだよ


2015年9月14日月曜日

"2130" ニーイチサンゼロ


2130 ニーイチサンゼロ


 

「あと6分…お前さ…もう、間に合わないだろ」




すっかり息の上がった状態のまま、灰色の階段を駆け上がり、

横を伴走する白いコットンワンピースに視線を送り声を漏らした。

こんなポカをするはずではなかった。

決まったタイミングで笑って、決まった時間に山の手線内回りの波に乗る。

こんな生活をもう2年も続けている。


”いつ終わるの?”


と周りは僕達二人の終焉を待っている様子だったが、

当事者の俺はこの決まりきった関係すら終わらせるつもりは無く、彼女と行けるとこまで行こうと決めたとこだった。

彼女の手に目線をやると、しわくちゃの紙袋に入った沢山のサブレは滅茶苦茶に砕けてしまっていて、とても御土産と云えない状態になっていた。

開店前から並んで、やっと手に入れたサブレが俺らに



”もう終わりじゃない?”



と語りかけているようだった。



「あのねぇっ、あの時リョウがコーヒーテイクアウトでって言わなかったら、あたしが走ることなんてなかったんだからっ ばかっ」


確かにスタバに寄らなきゃ、彼女を走らせることはなかったけれど、もう、言い訳なんてする余裕もなかった。





あと4分。





改札上に光る青文字の2130の文字を目で確認すると、

すっかり顔なじみになってしまった駅員の川田さんに”ごめん、通して”と言う代わりに、軽く手を挙げると、改札のゲートが開いた。


川田さんは見送り見送られるような俺らの関係をよく識ってくれている。


前に一度だけ、彼女が上りの新幹線内でサングラスの落し物をした、と泣き喚いたときに、


”大丈夫ですよ、次に帰っていらっしゃるまでに見つけますから”


と唯一彼女をかばった駅員が川田さんだった。



「あ…っつ」




”ゲート開けて”と手を挙げた反動で左手に持っていた淹れたて熱々のコーヒーが紙コップとフタの間から漏れてリョウの手をつたっていた。




「ねぇ、ずるいよ、先に行ってって誰がお願いしたと思ってるの、待ってよ」




彼女はあたかも落し物をしたかのような表情をし、前みたいに泣き喚く寸前だった。

泣き真似なら、やめて欲しかった。


券売機前に取り残された彼女は白いコットンワンピースの上に無造作に羽織った黒のレザージャケットのポケットにある切符を探っていた。

やっとの事で切符を持つと、改札に押し込む様に通し、カツカツとヒールの音を立て、

小走りして駆け寄ってきた。




あと2分。





手に持った紙袋は裂け、いつか買ってやったネックレスは捻じれたまま、

俺の後に続こうと、彼女は転げ落ちるようにしてエスカレーターを降りた。


軽く雨でも降ったのか、新幹線は既に定位置に着いていて、窓に水滴が伝っているのがわかった。

水滴を目で捕らえたのも束の間、彼女はつんのめるようにしてドアの中に吸い込まれ、

気がつくと俺の目の前、窓ガラス越しに彼女は着席していた。


さて、ここもお決まりのパターンだ。



分かりきった関係には、決まりの別れの流れがある。



いつもなら彼女はこう話しかける。


「今日も1日ありがとう。楽しかったね、今度いつ会えるかな?また、きっとすぐだよね?また連絡するね!」


そう話しながら、iphoneを指差し、最後に彼女が手を振れば、発車のベルが鳴る。



このパターンで僕らは夜を終わらせる。いつもそうだ。




あと…もう1分もないな…






息が落ち着くのを待ちながら彼女を見ると…お決まりの台詞が始まった。



「今日も1日ありがとう!」



水滴にボヤけた窓越しの彼女は心なしか疲れているようだった。

彼女の言葉に頷くでもなく、”おぉ、またな”と、俺が眉をヒョイっと上げた表情で応えると、

彼女の表情が突如曇り始めた。



明らかにいつもとは違っていた。




「…たいよ」





「…たい」






”ん?お前、今、何がしたい、って言った?”




俺がそう言うと”あっちいけ”と言わんばかりに適当に手を振り、

使う必要のないブラインドを下げ、

電子音極まりない発車ブザーを合図についに彼女は去ってしまった。




「ったく…せっかく送ってやったのに」




「冷たいな」




すっかりぬるくなったコーヒー片手にリョウは呟き、跳ね返った言葉に彼女の姿を見た。

そうだ、俺らは似た者同士だったよ。





「…たいよ、冷たい。」





「冷たいな」





一日の締め括る彼女の言葉に、眉を上げて軽くあしらった俺に腹が立ったのだろう。

やりきれぬ気持ちのまま、いつ帰ってくるかわからぬ彼女を背に改札へと戻ることにした。





”まだ俺ら終われねぇだろ”







冷たくて、悪かったな






ニーイチサンゼロ

ニーイチサンゼロ


"0902" ゼロキューゼロニー





0902 ゼロキューゼロニー

 
あたしは、たまに突拍子もない質問をされることがある。
大切にしている偉人の言葉はありますか?とか、”生きる”ってどういう事だと思いますか?とか、究極的な質問。

これは、気が向いたら真面目に答えようと努力する。

しかしトータル的に多い質問が

”どういう人に惹かれることが多いですか?その人と友達になりたいと思うポイントは?”
というもの。

あたしが主に惹かれる人には2つタイプがある。

1. 人間臭いひと(人情味ある人)

2.愛情に代表されるカタチのない”感情や感覚”を目に見えるカタチに変えて見せるのが上手いヒト(早い話が芸術美術を生業としているヒト)

あたしが最近出逢った9月2日生まれのその人は、まさしく後者のヒトで、
ココロという扱いにくいものを、写真に撮ることで、目に見えるモノに変えていくヒトである。

初対面で多くの作品を見せていただいたけれど、自然の中で撮影されるものは、モデルの服装や背景以上に、その中に封入されている感情を覗き見したくなるものばかりだった。



”遠く見つめている先に何があるの?”



みたく、被写体の目線上、その先にあるストーリーを見たくなる、そんな感覚。

その作品の主である9.2のヒトは
一つ一つの言葉が詩的で重い。
(宙に舞うスピードは速くても)



”コーヒーの湯気が立ち上ってたり、タバコを吸う時に煙があがるでしょ、その一瞬が見たくて写真を撮っているだけ”



”街中に人間がいるのって(カメラで)撮ったときに人間が浮き出て見えて不自然でしょ、人間って自然の生き物なのに”



あたしには衝撃だった。



”出来るだけ(写真を撮ることを)生業にしたいなぁ、と思ってて”

と彼が軽く言う割には


写真を撮ることが、彼の生きる(活きる)理由である事をハッキリと自覚していたからだ。


コーヒーの湯気、タバコの煙、その一瞬を切り取る。

永遠には続かぬ日常を切り取ることが彼の生きる理由、上等ではないか。

素直に”憧れるなぁ”と素人代表のあたしは思った。

余談だが、9.2の彼に通ずることなので書き残しておく。

あたしは、東京に行くたびにやっている事がある。

東京駅から出て、雑踏の中から聞こえてきた最初の言葉を今日一日を表すテーマとする。

という、要はオミクジ的な事。

例えば、改札出てすぐに


”何線乗ればいいの?うわ、もう、行き当たりバッタリでいいよね?” 


という高校生の言葉を第一声で聴いたとしたら、
あたしは

”今日一日、直感で都内を動いたらいい出来事に巡りあうかも!”と思う。


最近は親子連れ(子は幼稚園児)が

丸の内の信号を渡るときに、

母が自分の子に向かって手を繋ぎながら

”そうだよね、皆んなに知られちゃ、面白くないもんねぇ?はははー”

という第一声を取らえた。

どの様な会話の流れであったかは、最早わからない。

しかし、このオミクジ、どのようにして自分の中で消化しようか…

そう思った時、あたしの口が






”ゼロキューゼロニー”





と動いた。


おかしいな、何だこの番号。


電話番号…か?

困ったな、と思った末、思い当たったのが日付だった。



ゼロキューゼロニー。
0902.
9月2日。


最近出逢った彼の誕生日が口を突いて出たことに戸惑い、笑いそうになった丸の内kitte前。


このオミクジはきっと、あたしより9月2日生まれの彼に届けた方が良さそうだと思った。



”皆んなに知られちゃ、面白くない”.



けれどきっと彼の才能を周りは放ってはくれないけれど、彼の名が世に知れ渡る迄は、あたしの中で写真の世界観を味わい尽くそうと思う。


(これも、もはや時間の問題かもしれないけれど)



1番美味しいレストランを

自分のアジトにして

誰にも教えたくないように

人間ズルくて

彼が写真に収めた誰かのココロを

自分のものにしたいけれど

永遠に自分のものだけには

出来ないのだろう





ゼロキューゼロニー


ゼロキューゼロニー




 for the person who were born in 2nd of SEPTEMBER.